いいえ、梅雨こそキャンプの季節です

投稿日: カテゴリー: Column

2016年、関東地方は6月5日に梅雨入り。多くの人々は梅雨に憂鬱となりがちかと思うが、そうではないと私は考える。準備と愉しみ方さえわかっていれば梅雨だって趣きのある、キャンプにとっては旬なコンテンツなのである。

梅雨、それは静かな愉しみを堪能する季節

tsuyucamp_01私は梅雨と聞くとワクワクする。何故か、梅雨のキャンプが愉しいからである。多くの人は、梅雨を夏の前の憂鬱な季節と捉えがちであるが、それは勿体無いのではないだろうか。

その前に、今回はやや長文になる。是非とも最後までお付き合いいただきたい。

雨音がテントを打つ音は心地よく、雨に濡れた緑は瑞々しく美しい。そして雨に包まれた森の香りは芳しい。雨は五感に訴える「静的」な愉しみを多く与えてくれるものである。梅雨の自然は、自然との対話を堪能できる季節なのである。キャンプはワイワイするだけが愉しみではない。

もちろん、梅雨のキャンプは万全の準備が求められる。キャンプの後はしっかりと乾燥する必要もあるので、晴れの日のキャンプと比較すると手間はかかるかもしれない。その手間や準備を求められてもなお、梅雨のキャンプには行きたくなってしまう。

梅雨キャンプの醍醐味

自然の美しさを感じる

tsuyucamp_03「水も滴るいい女」おそらく聞き慣れた言葉であろう。自然も水が滴ると美しくなるものである。生した苔は水滴を抱き、つややかに輝く。濡れて色濃く彩られた土木は落ち着きが感じられ、私たちの精神も心地よい安心を感じられる。鼻を利かせれば、腐葉土や草花の青々とした芳しい香りに心満たされる。

雨というシャワーによって、自然は普段見せない官能的な側面を私たちに見せてくれるのである。そんな自然に包まれると、私たちも自ずと安らぎを感じるものである。

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出典:ウィキペディア

多くの人々にとっては不快な季節の梅雨は、私たちを魅了する風物詩にとっては最も快適な季節となる。蛍の季節である。梅雨入り、それは蛍の季節の訪れである。

綺麗な水辺のある自然へ訪れれば、彼らは私たちを迎えてくれるだろう。梅雨の靄に混ざって光る蛍は、言葉に表せない神秘的な美しさがある。いつもより神秘的な自然に囲まれて眺める蛍の光は時を忘れるほどの美しさである。

人と向き合う

出典:Eureka! | Fun Activities for Rainy Camping Trips
出典:Eureka! | Fun Activities for Rainy Camping Trips

雨の季節はテントサイトから動くことはほどんどない。トイレと炊事の時くらいではないだろうか。タープに打たれる雨音に耳を傾け、心許せる人との会話を愉しむ。雨の自然に囲まれていると不思議と言葉も素直になる。しっかりと向き合った心の会話ができる気がする。

雨は、木々の砂埃を洗い流すだけではなく、私たちの心まで禊いでくれる。雨の日のキャンプは、この瞬間を共有したい人間と行ってこそ最高のキャンプとなる。

雨キャンプの準備

普段のキャンプの用意で梅雨をはじめとする雨キャンプを臨むことは、キャンプを台無しにしてしまうリスクを孕んでいる。以下に記載する用意を周到に行うことが雨キャンプを充実させるスタートになる。

防雨対策

出典:Everyday Lives | 13 Ways to Enjoy a Rainy Camping Trip
出典:Everyday Lives | 13 Ways to Enjoy a Rainy Camping Trip

雨に濡れると寒い。6月だからと言って油断していると痛い目にあう。濡れたら着替えればよいのだが、そもそも濡れないのが賢明。故にしっかりとした防雨対策が必須だ。下記三点は必須である

  1. レインウェア
  2. 防水シューズ

1.レインウェア

レインウェアというとレインジャケットを想起するだろうが、レインパンツのほうが重要かもしれない。雨は地面に落ちると跳ね返ってくるので、足元の対策のほうが重要である。

登山を趣味としている人は登山の時に使うレインウェアをそのまま転用すれば良いし、持っていない人は今後のために購入しておくと良い。雨具は日常生活でも重宝するし、梅雨以外でもバッグには必ず忍ばせておきたいものである。ウインドブレーカーは雨を防げないので間違えないように。

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私が使用しているパンツは”Patagonia / Alpine Houdini Pants“で、登山からの転用である。パタゴニア独自開発の防水透湿素材H2NOを使用した2.5層のリップストリップナイロンを使用。DWR(耐久性撥水)も施されているものである。要所要所にストレッチ加工も施されているので、長時間座るキャンプでも窮屈さは全く無い逸品である。

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キャンプだけの使用なら”Patagonia / Torrentshell Pants”でも充分に快適と思われる。

2.防水シューズ

衣類で雨を凌いだとしても、足元が濡れてしまうことはよくあることである。不慣れな人はRedwingやUGGを履いてきたりするが、これは致命的なミスである。雨に対応していない靴は雨が降ると全て同じ―ずぶ濡れになるだけである。

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私は”Keen / Koven”のMidカットを履いている。KovenはKEEN.DRYという防水透湿素材を使用しているので、濡れず蒸れずにいられる。また、Midだと水たまりに踏み入れても浸水の危険もなく、それでいてHighカットにありがちな窮屈さもない。短パンで履いている時にもくるぶしを守ってくれるので安心して履いていられる。

何も登山シューズを用意する必要もなく、街でも履ける高機能シューズはKeenをはじめ、マーケットに多く出回っている。ウォータープルーフ機能を備えたお気に入りの一足を見つければ良い。

3.傘

傘と聞くとキャンプには不似合いなイメージを抱くと思うが、あれば意外と重宝される。常にレインウェアを着用するのは窮屈なので、トイレなどの移動時は普段着に傘の組み合わせが非常に便利である。

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普段使用しているビニール傘を車に積んでおくも良し、キャンプ用にお気に入りの一つを購入しておくのも良い。私は定番であるが”EuroSchirm”を使用している。軽さからくる携行性と、カーボンファイバーによる耐久性は、キャンプ場での使用に申し分ないスペックである。フェスや登山にも必ず携行している。

雨を見越したキャンプ道具

出典:Camping in Rain: Tips and Tricks | Camping Tips
出典:Camping in Rain: Tips and Tricks | Camping Tips

防雨対策は身の回りだけでなく、キャンプ道具にも必要である。しかし、雨のためになにか新しい物を買い揃える必要は必須ではない。重要なのは、①レイアウトを工夫して、②オーバーサイズで臨むことである。

雨天時のレイアウトの工夫

雨天時はコンパクトに、それでいて大きくレイアウトすることが快適な時間を過ごすための鍵となる。その鍵となる要因は下記である。

  1. なるべく低く
  2. 連結、もしくは近接
  3. 最小限、ではなく大きめに

1.なるべく低く

雨は上から降るものであるが、皆が濡れる原因はそれだけではない。風による「吹き込み」である。横から降って来る雨はスクリーンタープでは防げるもののタープだと防げない場合が多い。その場合は低く張ることによって横からの雨の侵入を防ぐのが良い。

一つだけポールの節を抜き、いつもより一段低くして、サイド部分を低く張ることによって吹き込みの量は大きく変わるものである。

2.連結、もしくは近接

出典:Colemanウェブサイト
出典:Colemanウェブサイト

当たり前であるが雨は上から降ってくる。要は上の隙間をなくせば良い。連結できるものはしっかり連結する。連結できないのであればなるべく近接して設営することが大事である。

スクリーンタープの多くはテントの連結を想定した作りになっているので、互換性がなくとも連結ができるものが多い。私も”Coleman / スクリーンキャノピータープ2“に”Snow Peak / Amenity Dome“を突っ込んで連結させて使用していた。他社同士の連結なので互換性は最高とはいえず、隙間風は多少あったものの雨風は余裕で防いでくれた。

普通のタープでも、テントの前室を重なるようにしてレイアウトすれば、テント―タープ感を濡れずに済む。少し技術が必要になるが、「小川張り」という連結方法もあるのでgoogleで調べてみるのも良いだろう。

3.最小限、ではなく大きめに

雨は上から降るだけではなく横から吹き込んでくるもので、その吹き込みこそがキャンプにおける濡れる主因である。最低限のアイテム―例えば小さなタープ、のように人数にフィットしたサイズのものを使用すると間違いなく吹き込んでくる雨にやられてキャンプが台無しになってしまう。

雨の日のキャンプでは、持ちうる限りもっとも大きいアイテムを持っていくのがよい。ちなみに幕営の話である。

テントも大きい方がアイテムを中に置くことができ、干すことだって可能である。DUOキャンプでDUOテントを設営したら最後、小さな前室とフィットしたテント内居住空間は濡れモノやアイテムで汚い物置のごとく散らかってしまうだろう。大きいアイテムさえあればそんな心配はない。

万全な準備をして雨キャンプへ

出典:Forest in the fog | Quo Vadis Blog
出典:Forest in the fog | Quo Vadis Blog

以上のことを意識した準備と設営さえすれば、こんな快適なキャンプは他にないのではないかと思うほど安らぎに溢れた時間を過ごすことができる。雨キャンプでしか感じることのできない体験だと私は思う。

防雨のノウハウとある程度のアイテムさえあれば楽しめるので、是非ともこの梅雨の時期は「敢えて雨の日にキャンプに行く」ということを試みてはいかがだろうか。

雨に包まれた森林で深呼吸すると美味しい。

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